2015年4月19日日曜日

港の火事 Save the Howe Sound

木曜日の夜、南北8kmにわたるSquamishの街が黒く分厚い煙に覆われた。
Squamishの南側にある港で大きな火事があり、煙が風にのって街の北側のBrackendaleまで煙に包まれた。
煙に有毒物質が含まれているため、ダウンタウン周辺に外出禁止令がでて、全住民に対して窓を閉め、必要最低限以外の外出しないようにと指示がでた。















一夜あけた今日は最高にいいお天気だったが、まだうっすらと煙っている。
風が強かったから、窓をあける気にはなれなかった。
気持ちいいのに、外にでられないのって、つらい。
おとといと何も変わらない、新緑がきれいな青空。
でも、今日の空には有害物質が飛んでいる。

福島で暮らす人々のことを想う。
これが放射能なんだもんな。。。。

今、SquamishはLNG(天然ガス)の発電所を建てる/建てないで議論がつづいている。
賛成の人は、雇用が増えて、税金の収入が増えることで街が潤うことをあげていて、
反対の人は、環境へ影響がはかりしれないことをあげている。

でも、LNGに関して、私は、いいのか悪いのかよく分からないままでいた。
そりゃあ私的には今のまま(ガスなし生活)で全く不自由してないので、環境や生態系にリスクのあることはしてほしくない。国の成長なんたらなんて関係ない。
だから感情論でいったらもちろん反対。

しかし、カナダは面積に対して人口が少ない。
人口が少ない国は、経済力にも国力にも限界があるらしい。
だからか、カナダは移民をたくさん受け入れていて、人口もどんどん増えている。
人口が増えると、エネルギーがもっと必要になる。
そのエネルギーをまかなうには石油やオイルサンドといった化石燃料よりも、天然ガスの方が環境への負担が少ないともいう。
薪ストーブだって、みんながみんな薪を必要としたら木がどんどん伐採されてしまうし、燃やすという行為は環境によいの?
じゃあ、自然を利用した水力発電は(BC HYDRO)?でも、ダム建設もひどうそうだぜ。
天然ガス施設はダムをつくるよりマシなのか?
原子力に比べたらずっとずっとマシな気はする。
でも、そもそも本当に必要なの?
カナダは天然ガスの資源国だ。
世界を相手にするビジネスをもたなければカナダは発展しない?
期待されてたオイルサンドだって原油の需要が減って散々たるものだと何かで読んだ。環境を破壊したのに、何にもならないなんてお粗末すぎる。

なんだかよくわからない。だからこの件は傍観していた。
それに、どっかで諦めもあった。”反対してもどうせ作るんでしょ?”って。

でも、今回の火事で、”やっぱ無いわ”と強く思った。
もし何かあったらこの程度の被害ではすまない。
そして、これから数十年と海への影響が大きすぎる。

私が引っ越しをするBritannia Beachは昔、大きな鉱山があった。
でも、山をほじくりかえし鉱毒を垂れ流したことが原因で、大地と海がひどく汚染されてしまった。
そのおかげで、魚やクジラがHowe Soundにこなくなってしまった。
それと同じこと起こる確率が大きいと思わずにはいられない。

鉱山汚染に関しては、2000年から海の鉱毒浄化プログラムがはじまり、海の生物も少しづつ戻ってくるようになった。
去年はイルカ、オルカ、クジラがHowe Soundにやってきた。
50年前は当たり前の光景だったそうだ。

私はそれを知って、嬉しいと思う。
よかったなあ、って心から思う。

夏から秋にかけて数種類のサーモンがやってきて、熊が出没し、冬には白頭鷲が巣ごもりする。海に、イルカ、オルカ、クジラがやってくる。

春先からは、山の中で鹿や熊の親子の姿をみかけるようになる。
新緑の頃、真っ白なエルダーフラワーが満開になり、ハマナスの花がさく。
晩夏にベリーが実りだすと、熊がより活動的になる。
やがてサーモンが命を全うし、その腐敗臭が森を覆う頃、また冬がやってくる。

自分が暮らす街に、自然界の営みを感じられる幸せ。
様々な生命とこの自然をシェアしていることを、忘れないでいられる。
共に生きてるんだなあと、嬉しくなる。
幸せになる。安心する。

この幸せを犠牲にしないといけない暮らしだったら、わたしは不便なままでいい。
この美しい自然と、そこに属す生命たちが、あるがままの姿でいれることを願います。


Save the Howe Sound! NO LNG!!!



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