2015年7月7日火曜日

燃えている!

雪の降らない冬から、雨の降らない夏に突入したCoastal BC。
13年、カナダで暮らしていて、一番ドライな夏。
Drought(干ばつ)なんていう言葉も聞こえてくるほど乾いています。

ここへきて大規模山火事が頻発しています。
乾燥と強烈な日差しに加えて、強風もあって、火の勢いは増しているそうです。
3つの大きな山火事が半径100km圏内(カナダ的距離でいえば近い)で起こっているので、対岸の火事ではありながら、のんきに傍観するほど人ごとでもないので、ドキドキする。

今日はSquamishに山火事の煙が押し寄せて、視界200m先が見えない状態でした。

Air Qualityは最低の10。(←この数値はじめてみた)
ウィスラーは最低よりも上の11(←最低に上があるなんて知らなかった)

家で窓閉めていても、喉イガイガ、目はシパシパ、鼻水はとまらないし、かといって外にも出れない。
庭にはうっすら灰がつもり、もちろん煙い。
いつもは強い風の吹くSquamishが、無風のため煙はたまる一方で、どんどん視界が悪くなる。どこにもでれない、どうにもできない。
そんなこんなで気持ちも体も苦しくなって、ややパニックになってしまった。

いてもたってもいられず、バンクーバーに避難。
若干空気のいいバンクーバーで気分も落ちつき、冷静になってきた。

世界中で温暖化や異常気象のニュースを見聞きしている。
でも、BCは変化が少なくて、頭では理解してても、肌で感じるほどではなかった。
なんといっても、ここは水が豊かで、災害も少ない。
でも、去年あたりから、夏に晴天が続きすぎることに少し危機感を感じだした。
そして、今年は、”危ないな”と感じる気候。
雨が降ってほしいと切実に思う。

ご存知のとおり、Coast BCはサーモンのふるさとでもある。
でも、今年は川の深さが足りないだけじゃなくて、表面温度も高くてサーモンが川を上れずにいるらしい。心配だ。

いつもSquamishに吹く強い風は、実はPembertonからやってくる。
Pembertonの気温があがると上昇気流が発生して、その気流がSquamishにやってきて風となる。
でも、PembeeもSquamishも分厚い煙に覆われているせいで、気温があがらない。
Pembeeの気温があがらなければ、Squamishで風は吹かない。煙はうごかない。

森も、サーモンも、風もあたりまえの光景だったけれど、
こうしてバランスが乱れてしまうと、日々いかに調和されていたか気づく。

今まで、気づくか気づかないかの地味な変化でいれたのは、圧倒的な自然のおかげだったんだな、と思う。
マジ、ありがとう自然。愚かなわたし。バカ!

人間が気づかないところで、無言で、森も動物も耐えていたんだろうな。

いつもの毎日が戻るように、
雨が降ってほしいけれど、雨が降らない日を指折り数えるのではなく、
今は、あるがままの状態を、落ち着いて受け止めようと思う。
煙も、暑さも、続く日照りも、いつ落ち着くかもわからない山火事も全部。

こういうときこそ、命がけで消火活動にあったっている人達に、森に、共に経験している地球に感謝の気持ちをまず向けていこうと思う。
恐怖よりも、感謝にフォーカスしようと思う。

この山火事のメッセージは深く大きい。しかも、誰にでもわかりやすい。

そしてそして、最後に、おさらい。
乾燥と高温が続いていると、小さな火種があっというまに広がってしまいます。
今activeな山火事の多くは、落雷が原因です。

でも、雷が落ちたからすぐ燃えるわけではなく、数日、数週間、地面の中でくすぶって、
高温と乾燥という条件で発火します。
私の友達も、Fire hazardがhighの時に、森でトイレットペーパーを燃やし、土の中に埋めたそうです。
見た目では完全に消えていたのに、地面から煙がでてきてくすぶっていて、”こうやって山火事っておこるんだなあ”って言っていました。

なので、たとえ小さな火種でも、高温乾燥している時はそのとき発火しなくても、いずれ火はでます。

完全に消したつもりでも、火種になりそうなもの(たばこの吸い殻とか、バーベキューの火の粉とか、)は、森には決して持ち込んではいけません!!

どうか、みなさんもBCに雨が降るように祈ってください!
そして、命がけで消火活動にあたっている人達がみな無事に戻って来れるように。
もう、祈るしかない。

恵みの雨が降りますように!