杉の上に座って、
風の声を聞いた。
鳥の唄を聞いた。
水の流れを聞いた。
昨日の雨が染み込んで生き生きとした、新緑の香りを聞いた。
小さな石を投げる。
靴でちょんちょんと水面を叩く。
きっかけが何であろうと、
水面に映るのは、美しい円の波紋。
「自然界に存在するものは全て曲線で構成されている。」という言葉が頭によぎる。
波紋がどんどん大きくなって、
座っている杉の木の淵までおし寄せてきた。
わたしは、波紋をみているのが好き。
波紋の広がりは、ものごとが、伝わってゆく様そのもの。
円が縁をよび、想いがつたわっていく。事が動く。
迷子になったり、戸惑ったりするときもある。
無力だとと嘆きたくなるときがある。
だけど、自然界に存在するわたしたちだから、”まっすぐ”ってわけにはいかない。
フリーハンドでキャンバスに描かれた”わたしの絵”は、個性があってなかなかよいものさ。
迷子も戸惑いも、色を引き立たたせてくれる、大切なエッセンス。
地球は丸い。波紋は丸い。
自然界に存在する森羅万象すべてのものは、曲線で描かれている。
これは、大切な事を物語ってると思うんだ。
お友達のオータクさんが言った。
「地球が丸いのは、誰も迷子にならないように、歩いていたらまたどこかで再会できるようになっているからなんだよ。」
きっと、誰かが遠くで愛を叫べばその声はこだまする。
きっと、誰かが遠くで助けを求めれば、必ず聞いている人がいる。
円が縁をよんで、縁が円を呼ぶ。輪が和をよぶ。
円い、丸い、縁の広がり。
波紋が広がっていくように、わたしたちは響き合っているんだな。
森をじっと見ていると、思わぬところからメッセージが降ってくる。
風に、鳥の声に、新緑の香りにのって。
お昼前のプチトリップ。
Nita Lakeのほとりにて。
読んでくれてありがとう~。