2021年9月9日木曜日

ワクチン・パスポートが導入されるBC州より

 BC州では9月13日よりワクチン・パスポートが導入されることになった。

コンサート、スポーツ観戦、映画館、バー、インドアアクティビティなどが対象で、その中にレストラン&パティオでの食事、学生寮の使用も含まれている。

正直、私はがっかりした。
BC州はこういう措置をとらないのではないかと、
なんとなく期待していた。
西海岸的なインクルーシブな決断を取ってくれるのではないかと。

私は2回接種が終わっているし、ワクチン・パスポートが導入されても別に不便はない。
だけれど、この排他的ともとれる、ワクチン第一主義というような風潮は居心地が悪い。

コンサート、スポーツ観戦、お酒を提供する場はまあ、気も緩むし密になるから制限があってもいいのではと思うのだけれど、レストランでの制限や学生寮に対しては疑問が残る。
私自身、レストランのサーバーとして働いたこともあるから、入り口でワクチンを打ったか打っていないか確認する係になるのは嫌だ。

出会い頭に年齢や出身を聞くことはToo Personalとして避けられているのに、これだけ世界中で議論の的になっている「ワクチンを打ったか打っていないか」というパーソナルクエスチョンをいきなり投げかけるのはOKだという、そういう矛盾もなんだか耐えられない。
大学生のティーンそこそこの若い子に、ワクチン接種を囲い込む感じも嫌だ。

ワクチンを選択しない、と決めている人はまだしも、自然罹患して抗体を得ている人もいるのに、ワクチン接種一択なのもなんだか怖い。

他にも、パスポートを提示しないといけないのはサービスを受ける側で、提供する側のワクチン接種の有無は問われていないなど(マスクをはずすかどうかの差なのかな?)、いろいろと矛盾があり、なんだか非常にもやもやする。

もう一つ嫌だなあと思うのは、家族内、友人、コミュニティー間で意見の相違があり、ぼんやりと存在していた思想の溝が深くなりかねないところだ。

ワクチン派、反ワクチン派、どちらでもない派、マスク派、賛成派、反対派、信じる派、信じない派、派、派、派。

私は、正直いろいろな「派」をまるっと部分的にかすめているので、しいていうならグレー派、だ。

私みたいな人も割と多いのではないかと思う。

さて。

コロナ禍を「人類の旅」だと仮定するならば、この措置は目的地に到着するための気流の乱れのようなものだろうか。

忘れてはいけないのが、たいがいの人々の目的地は「コロナ後の世界」ということ。
これがどの程度の乱気流なのかはわからないけれど、この間に、スタンスが違うからといって今まで築いた関係がひっくり返ってしまわないように願いたい。
人間はどこか「自分の選択こそ正しかった」と思いたい節があるからね。。。

まあ、このコロナ禍で関係がひっくり変えるようならそれまで、ということなのかもしれないけれどね。

それも問われていると思うと、コロナめー、本当に手強いやつである。

ただ、別の見方としては、BC州はワクチン接種をした人が大多数(80%)なのだから、コロナ禍で苦境を迎えていた、旅行業界、エンターテイメント、飲食などのビジネスを立て直し、人々がある程度の娯楽と日常を取り戻すためのワクチンパスポートというのも理解はできる。

大多数の人々の日常を取り戻すための措置。

過去に数々の疫病を乗り越えてきた人類の軌跡のひとつ。

思っているよりも、大多数の人はフレキシブルで、理解があり、うまいこと順応できるのかもしれないし。

ああ。

こういうことを書くと怒られそうだけれど、こんなにモヤモヤするなら、ちょっと前のマスクとソーシャルディスタンスを保てば、だれでもたいがいのサービスを受けられるというシステムのほうがよかったなあー、なんて。


なんだか、疲れたなあ、と思って川に散歩にいくと、気候が厳しかったこの夏を生き延びたサーモンたちが川に戻ってきていた。







「生き延びる」という使命だけを持って、産まれた川に戻り、子孫を増やし、そして死ににくるサーモンを見ていると、その様が美しくて、凛としていて、ジーンとしてしまう。
命の流れ、というもっと大きなもの、遠くにある美しさを見て、やり過ごしていこうかな。

たくさんの考えや在り方が混在する時代と言われる

「風の時代」

試されているなあとつくづく感じる2020です。

読んでいてもためになる記事ではないですね。
ごめんなさい!

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