2020年8月17日月曜日

変わらないことなんてない

ただいま引っ越し中です。

昨日まで住んでた家から家具やピアノや洋服がなくなった。

ほこりに混じって、しばらく救出されていなかった鉛筆や、
ボタンやお菓子の袋がそちこちから出てくる。

そういう小さなゴミと一緒に、捨てるべきか迷っていたものをゴミ袋に詰める。
そうやって溜まったゴミ袋がそちこちに散乱しているのもあって、
今まで封じてきた土足で家の中を歩くようになった。

ずっと日常を過ごしてきた場所が、急に殺伐とした風景に変わる。

魂のなくなった家。と言ったら良いのだろうか。

さらに拍車をかけるような出来事があった。

ごみ捨てから帰ってきたら、お隣の奥さんから

「悲しいお知らせがあるのよ。私引っ越しするの。9月1日で新しい家も借りたの」

というではないか。

「...ええ?」という顔をしている私を見て一言。


「別居することになった」


お隣さんはティーネージャーの子供がいる、3人家族だった。
このコミュニティーに20年住んでいる古株さんだ。

このご夫婦が別れることになると思わなかった。

とはいえ、最近、皿が5枚くらい割れる音と怒鳴り声を聞いたのは確かだ。
もともと感情豊かな奥さんなので、まあそういうこともあるのかな、くらいに思っていた。
隣の家でも、夫婦のことは本当にわからない。

少しこのコミュニティーのことに触れておくと、
スコーミッシュがアクティブでエネルギッシュで法整備されている都会だとしたら、
私の住んでいるところは全てに置いてレイドバックなオーシャンコミュニティー。

ヒッピーというにはロックすぎるのだが、大げさに言えば
「いちいち細かいことは言わなくてもいいだろう我がネイバー達よ。
 行政に介入させるな、自分たちで自治を!」

みたいなブリタニアルールというものがあり、
街では苦情がくるようなことも、緩く許されているところもあったり、
口は少々悪いけど、心意気のある、ビンテージ好きな古株さんも多く住んでいるコミュニティなのだ。

ご多分に漏れず、お隣さん一家もブリタニアにどっぷり染まっている感じだったし、
ご近所に友達も多いから、彼女がこのコミュニティーを去ることになるとは思いもしなかった。

そういうわけで、時を同じくして私達も引っ越しの準備、
その横で彼女も友人の手を借りて引っ越しの準備、という不思議な光景となった。

自分たちも引っ越しするし
お隣さんだって別居する
コロナウイルスだって発生する
娘のウォルドルフスクールの校長先生も変わるし
(創立当時からずっといた先生だからびっくりした)

そして

5年前に交通事故にあった友人が亡くなったという知らせを受けた

何一つとして昨日と同じなんてことはない。
当たり前の日常が続くなんてこともない。

ここまで
書いてみて思ったけど、私は”そこに存在していた人の気配”が変わっていくことに
なんともいえない気持ちになるようだ。

私はその人が残した足跡であったり、
連れてくる風の匂いであったり、湿度であったり、
そういうものを覚えておきたい。
それが時間とともに消えてしまうような、儚いものだったとしても。

しばらくの間賃貸することになった、エアコンの効いた新築の家の窓から
昨日から続く過去を振り返ると
なんとも表現できない不思議な気分になる。

何かが大きく変わりそうな気配がする2020の晩夏です。


ミキティ、安らかにそして自由に


2020年8月8日土曜日

あれがコロナウイルスだとしたら 〜息子に励まされるの巻〜

 コロナウイルスの勢力がまた増してきた。
私の住む街にもじわりじわりとその手が迫ってきている。

私は3月中旬、パンデミック宣言直後あたりに、
おそらくコロナウイルスにかかった思われ、
結構しんどい風邪を引いた。

とはいえ、その時は検査することができなかったので、今でもその真偽は謎のままである。

この、コロナもどきの風邪の最初は、小さなのどの痛みだった。
それから明日にはよくなるかなと思っていても全然よくならならず、むしろ悪化していった。

そのうち咳がひどくなり、倦怠感が半端なく、肺が曇っているような重い痛みが出てきた。
もう治ってもいいだろうと思う10日をすぎてもよくならない。

夫も同じような症状だったけれど、
彼に至っては「明日病院送りかもしれない。」と思うほど咳の発作がひどく、しかも長引く一方なのでかなりドキドキした。私よりも症状が重かったのは間違いない。

もちろん何度も811に電話したし、特に夫は咳の発作がひどいのでドクターとも数回話した。

だけど、2人とも熱がなかったので
おきまりの「たぶんコロナウイルスっぽいけど、呼吸困難でなければ様子見て」という言葉が返ってくるだけで咳止めシロップとタイレノールを頼みの綱に過ごした1ヶ月だった。
もちろんその間は家の敷地からは一歩もでていない。

同時に、あの時は体のみならず、メンタルへの影響が半端なかった。

当時、私が抱いた恐怖は3つ。

「私がコロナだったとしたら、最後に会った人にうつしてしまっているかもしれない恐怖」

「夫が明日病院送りになって、そのまま会えずに死んでしまうかもしれない恐怖」

「私と夫が2人とも呼吸困難に陥ったら、誰が子供の面倒をみてくれるのか。子供を置き去りにする恐怖」

どれも同じくらい恐ろしかったけれど、特に子供を置き去りにするかもしれない恐怖はかなり堪えた。だって「お母さんもお父さんも大丈夫だよ!」と言い切れないのだから。

幸い、私の方が2週間を過ぎた頃から体調が回復したので、3つ目は途中で解消された。

1つ目も心に暗い影を落とした恐怖。
実は「喉がちょっと痛い、、気もするかな?」程度の時に、ママ友さんたちとスノーボードに行ってしまった。その時は気のせいかも。って思っていたけれど、日が経つに連れてどんどん悪化していった時は、本当に後悔した。その中の一人はホームケアナースだった。取り戻せない後悔。

幸運なことに、一緒に行った人達は2週間過ぎてもみな無事で、ナースの友人も陰性だった。
喉が痛いことは宣言していたので、距離を保ってもらったことと、一緒にいる時はほとんどグローブ、ゴーグル、フェイスマスク状態だったことがよかったのかもしれないと今になっては思う。

2つ目の夫を失うかもしれない恐怖は最後まで残った。
今思えば「大げさな!」と思うかもしれないけれど、当時はリアルな恐怖だった。

そして、あれから早5ヶ月近くがたち、またコロナウイルスが再燃している。

私は、コロナウイルスの感染拡大や重症化が恐ろしいというよりも、
コロナウイルスが再燃していると聞くと、メンタルのトラウマの方も再燃して、
あの時の不安な気持ちを思い出してしまう。

それで、今日はなんだか心が沈んでしまい、話す元気もなくなり、
久しぶりにコロナウイルスについてあれこれ検索してしまった。

そんな私をみていた、息子が、

「ママは、またコロナにかかってママとダダ(父)が入院することになったらどうしようって思ってるんでしょ?そうなったらオレ、ルナとなんとかやるから大丈夫だよ。それに、子供はコロナにかからないってみんな言ってるから大丈夫だよ。」

と言ってきた。

もうその言葉が、ツボすぎて、
あんまり泣かない私だけど、いろんな想いが溢れて涙が出てしまった。

それと一緒に

「あんまりいろいろ見過ぎちゃダメだよ。考えすぎるのが一番よくない」

と。

なんだよ、大人みたいじゃない。偉そうに(涙)

あなたたちを置き去りにするなんてこと絶対ないよ。
どんなことがあっても。

コロナが実際怖いのかどうか、私もいまだにわからない。
ただの風邪のような気もするし、やはり恐るべきウイルスなのかもしれない。

けれど、確実に私の中にある種の影を落としたウイルスであることには間違いない。
コロナ鬱という言葉に含まれる感情なのかもしれない。
そして、まだトラウマとなった恐怖や不安との共存の仕方をまだ模索しているところでもある。

長丁場になりそうな予感。

もしこれを読んでいるあなたがコロナにかかっても、
私は責めたり偏見の目をもったりしません。だから安心してね。

それくらいしか言えないけど、、、みなさん気をつけてね!

2020年8月2日日曜日

家が売れた

去年から家を売りに出していました。
この春はコロナ騒動もあって、不動産的には全く動きのない数ヶ月を送ることになってしまい、もう無理かなあ〜なんて思ってましたが、先月さっくりと売れました。

家を売りに出していた理由はいろいろあるのだけれど、
5年前に見ていた景色や目指していた生き方と、
今見ている景色とこれからの生き方が少し変わってきたというのも大きなの理由です。

5年前にこの家に来た時は、上の子が5歳、下の子が3歳でした。
この家は、庭があって、プライベート感があって、海が見え、一目惚れして購入したはじめての一軒家です。

街から15分かかるけど、当時は人付き合いでもちょっと無理してたこともあったし、
街から少し離れているくらいがちょうどいいや〜、なんていうのもあって。

で、実際はどうだったかというと、しばらくは本当に充実していました。

今の家に引っ越ししてから、
地球への負担を少しでも減らせるような暮らしができたらいいなと思って、

心に描いていたことが、規模は小さいながらもほとんど実現できたし、
薪の暮らしも、毎日海が見えることも、ガーデンができることも幸せでした。
夫と一緒に手仕事もたくさんやって、心も豊かだった。
同時に、自然に近い暮らしをすることの大変さもよくわかった。




はじめてのトラック



やがて、子どもが成長するにつれて学校が始まり、
日々の暮らしが慌ただしくなった。

私が惚れ込んで入れたシュタイナー教育も、息子には合わないことを知った。
親の思いと子供の興味は違うものなんだと一度受け入れてからは、
理想の子育て像みたいなものも、こだわりも、どんどん薄くなっていった。

夫は仕事に精力を注ぎ、事業拡大の話もやってきた。
彼は本来、起業家気質で仕事とマウンテンバイクが生きがいな人。

私は私で、新たにやりたいことがどんどん出てきて、結局は、言葉を使って発信すること、なにかプロジェクトに没頭するのが好きなことを再確認した。
子供もプリティーンに差し掛かってきて、子育ても楽になってきたし、自分自身を充実させていきたいと思いが溢れるこの頃です。






そういうわけで、後半の数年は、思い描く暮らしができているかどうか、というよりは
家族にとってベストな暮らしとはなんだろう?と思うようになりました。

さらにこの思いを強くした出来事として、
サステイナブル的な「思い描いた暮らしができる喜び」が想定内のものだとしたら、
夫のビジネスを通して得た人生教訓が、予想外に大きく影響したというのもありました

このブログではあまり書いてこなかったけれど、
小さくてもオーナー業をしていることで、
自由という不自由さの中で責任を取ることの勇気であったり、
この立場にならなければわからなかった様々な葛藤を、
自分の心の中にだけしまっておくことができるようになったのも含めて
私自身、大きく成長したように思います。

だから、今家が売れたことで、「さあこれからどうしようか?」と思った時に、
次の一手は、今までの5年間とは変わったものになるだろう、と感じます。

それは、今まで愛してきた価値観を背中に、新しい未知の未来に向かって進むような、
寂しさとワクワクが一緒になった気持ちです。
.
.
.
さて、そんな風に暮らしのカタチが変わっていく中で、

私も新たに

内観向けのタロットカードリーディングHeart Map Tarot Reading

をはじめました!

布ナプ屋さんのEco moon padをやっていた時の
「布ナプが自分のことを愛するキッカケになってほしい」という想いをそのまま、
形はタロットカードに変わりましたが、Eco moon padの想いを引き継いで、
タロットを通じてみなさんと繋がっていけたらいいなあ〜と思っています。
(なぜタロット?的なことはwebsiteにも書いてあります)

タロット好きの人も、そういうのはちょっと遠慮するわという人も、
占いとはひと味違うタロットリーディングなのでぜひぜひ1度試して頂けたら嬉しいです。

Websiteはこちら→ Heart Map Tarot Reading 
最近始めたばかりですが、ココナラさんにも出品しています 

応援よろしくおねがいします!!



引っ越し準備がんばろう〜!