2014年6月24日火曜日

Pender Island の旅 その2 〜現実と夢の架け橋・キクチファミリーとの出会い〜

Pender Islandを去る日の午後に、Tracyにこの島に住む日本人のご家族ーキクチファミリーーを紹介していただきました。

突然の訪問でしたが、受け入れてくださり、すこしばかりお邪魔することに。

まず、たくさん子どもがいてびっくり!
キクチファミリーは、アーサー&さなえさんご夫婦と5人の子供達がいる大家族。

アーサー&さなえさんは、お庭で自然農法(農薬を使わないばかりではなく、虫とも共存し、その土地で得れるものしか使わない農法)を実践されており、子供達はホームスクーリングという、本一冊書けそうな興味深いライフスタイルを実践されています。

早速、長男の健太くんがガーデンや鶏小屋を案内してくれました。
健太くんは、もちろん植物にも詳しくて、本当にガイドさんのよう!

ガーデンツアーから帰ってくると、奥さんのさなえさんがレモンタルトとレモンバームを発酵させたお茶(これがまるでレモンティー!)を用意してくださっていました。

そこで子ども達が、”美しいもの、キレイなものを撮ろう”というテーマで、それぞれが写真を撮り、その写真をカードにしたものを見せてもらいました。
それが、ほんとうにアーティスティックで素敵なの!

中には、ハミングバードのクローズショット(ハミングバードは一瞬で飛び去り、じっとしていないので撮るのが難しい)もあり、それを撮るために一日中バルコニーでタイミングを待っていたなんていう話も聞きました。

どうやらこの島には、ホームスクーラーのためのクラスが定期的に学校であるらしく、子ども達の行き来もあるようで、ホームスクーリングがしやすい環境があるのかなあという感じがしました。
こちらのページでもPender Islandのホームスクーラーの様子が書かれています。

そんなキクチファミリーのお話を聞いていて、はっ!と気づかされたことがありました。

わたしは子供達をウォルドルフスクールにいれています。
一般に、ウォルドルフスクールではアントロポゾフィーという独特の哲学(TVやパソコンなどのメディアの使用の禁止や、文字や算数の独特な教え方とその時期)があります。

キクチファミリーの写真プロジェクトのように、子どもは”美しいもの、きれいなもの”を探すことが上手だし、またそういうことに敏感なアンテナを持っています。
ウォルドルフもそういう子どもの純粋さを大切にしています。

ですが、太陽が ”きれいなものを見つけたから写真に撮りたいんだ”と私に言ってきたら、私は多分”ダメ!”と言うでしょう。

その理由は、カメラを壊されたくないというよりも、カメラを触りたがる太陽が、iPadやゲームのスクリーンにロックオンされている子どもの姿とリンクしてしまって、取り返しのつかないことをしてしまうような恐怖に駆られるからなのです。
また、つい最近までは、文字を書きたがる太陽にやりたいようにやらすべきか、やめさせるべきかだいぶ悩んでいました。(←こちらは納得いく答えがでたので解決)
たぶんそういう気持ちは7歳まではアカデミックなことはやらなくていいという、ウォルドルフ哲学からきているのだと思います。

だから、キクチファミリーのお話を聞いていて、”きれいなものが好き” で、そのきれいなもので ”やってみたい”ことがある。
そういう感覚/感性がなにより大事だよなあ〜って。

たとえ、いいと思うことでも、囚われるといい発想ができないね。
いえ、アントロポゾフィーはもっと奥の深い哲学なのだろうけれど、私自身がまだ入り口で小さな具体例に囚われているだけなのかもしれない。

とにかく、ちょっと閉鎖的になっていた視界が、いきなり明るくなり、広がった感じがしました。
守るところは守るけど、良か否かのグレーゾーンは、オープンな心でいろんな角度から考えてみないとな!

すいません、長くなってます。

さて、Pender Islandの優しいエネルギーにじわじわと心を温めてもらい、素敵な出会いや気づきがあったこの旅。
ここでいただいた、”暮らし方の気づき”を、私の日常にどう活かせるだろうか?
と思った時に、もうひとつ気づいたこと。

South Gulf Islandsには熊やクーガーといった、出会うと気が張る種類の動物がいません。
しかし、Squamishにはいます。

島には大きな山がありません。ですが、Squamishにはあります。

子供と森を歩いているとき、畑や果樹のある庭、コンポーストやゴミ、鶏などの家畜、つねに体の片隅で熊やクーガーを勘ぐっています。

そう、雄大な山や野生動物は、人間にある種のサバイバル心と緊張感を与えるものなのです。

同時に、ここに住んでいると、サーモンがあがってきて、サーモンを狙ったハクトウワシが飛来し、森にたわわに実ったベリーを熊が食べにくる、ボブキャットやクーガーが現れる、そういう野生動物のダイナミックさ、生命の循環を間近でみられる感動があります。

島には島特有のハートが開くような優しい空間がギフトであり、
SquamishにはSquamishの、本能に働きかけるような力強いエネルギーがギフトであることを理解しました。

2つの違った、おいしいお塩で料理するみたいに。
どっちもおいしいんだよ。

みんなちがってみんないい。

だから、わたしの今ある日常を変えようとするのではなく、ここでやれること、学べること、楽しいことを心に従ってやっていれば、いずれまた道はみえてくるはず。

そうだ、今年もラベンダーが満開だ!ケールが豊作だ!そろそろ味噌も仕込まなくちゃ!
小さなガーデンでも、喜びはたくさんシェアできる。






















いっこいっこ大事に。

それが、やがてRealityとDreamを結んでくれる橋となるのでしょう。
なんか、少しずつ近づいている気がするんだ、最近!

さなえさんの50ページに及ぶお野菜レシピはこちらです。
ほぼveganレシピで、察するにご自分のガーデンと鶏から自給できる食材のみで工夫されているのだと思います。
まさに、Sustainable!
素敵なファミリーにであえてよかった♪

2014年6月23日月曜日

夏至2014 Challenge Sprit!


夏至 2014。

夏至にふさわしい暑くて晴れの一日。
よく目をこらすと、おひさまのプラナが雨のように降り注いでいるのがみえる。
まさに、サンサンと降り注いでいる。

今日は太陽が朝イチで怪我をした。
ここのところ、めきめきと乗りこなせるようになってきた自転車で、ジャンプして、顔面着地ならぬ、唇着地 on コンクリート。
唇の内側が2つに割れて、内側も外側も1cmくらいばっくり切れて血だらけに。
太陽は、”痛い痛い!”と号泣。

ワタワタと慌てながら病院にいく準備をする。
わたしと太陽だけで行けばいいよ!という言葉を遮り、ゆうじも行くと言い出し、一家総出で病院に向かうことに。
これは縫わないとヤバいな、、、。歯もやっちゃったかも。
そう思いながらエマージェンシーで待たされること1時間。
怖いものみたさで傷をチェックしてびっくり!

もう塞がってる!!

さすが子ども、さすが口の傷!骨や靭帯の怪我じゃなくてよかった!
処置せずそのまま帰り、帰りがけにフルフェイスヘルメットを探しにバイク屋(注:こちらでは自転車のことをバイクという)めぐりにいくことに。

いいヘルメットに出会えなかった代わりに、ゆうじが太陽にA-lineのキャップを買ってやった。

A-lineとは、ウィスラーブラッコムバイクパークのテクニカルで浮遊度抜群の、行ける人だけが行けるダウンヒルコースのこと。
これは、ゆうじが太陽に、はじめて直接買ってやった物かもしれない。




もう少し大きくなったら、太陽もA-lineの意味がわかる時がきて、
そのとき、父ちゃんの今日の想いを知る時がくるんだろう。

あと数週間で5歳になる太陽。
もう少年だよ。
まさにスコーミッシュッ子で、自転車でジャンプするのが大好きな太陽。
暇さえあれば自転車に乗っかっていたい年頃。
最近飛ばし気味に上達してきてたから、喝!になる、でも痛すぎないちょうどよい怪我だったかも。
めげずにこれからも、がんばってチャレンジしてほしい。

口の怪我もたいしたことなかったので、夜は、リッチモンドのナイトマーケットに向かいました。

この日は、ゆうくんとまもちゃんが、土壇場でもぎとったフードベンダーのチャンス、Teriyaki Boysを応援しに行ってきました。
2人のチャレンジやパッションを前もって聞かせてもらっていたので、競争率の高いナイトマーケットで奮闘している姿をみて、嬉しく思いました。
がんばれーーー!























しかし、ナイトマーケットはカオスだわ!アジアだわ!
新宿ばりの人ごみ、アジア色いっぱいな感じに、アジア人の血を呼び起こされるわ。


頑張る人たちの勇士を見た、熱い夏至2014。

帰り道、夜の11時だというのに名残惜しく海に島影を残す太陽の光に、諦めないファイトスピリットを見たような気がした。

それはそれは美しい景色でした。

P.S. リッチモンドのナイトマーケットは毎週金、土、日 午後7時〜11時やってますよ。おいしいアジアフードがたくさん!アジアっぽいグッズがいっぱい。
ぜひ行ってみてくださいな〜。

2014年6月14日土曜日

Pender Islandの旅 その1 〜木の家・土の家・藁の家〜

Mayne Islandを後にして、フェリーで15分ほどの隣の島、Pender Islandに向かいました。

Pender Islandでは、Strawbaleの家に住んでいるというTracyのcottageに2泊することにしました。

まず、Pender Islandの印象は、Mayne Islandに比べて針葉樹が多く、”森”の気配が濃いと思いました。
島自体もMayne に比べたら大きく、小さなモールもあり、人口も2500人。
その割に、メインの道路を走っていても人の気配が全然しないのは、ひとつひとつの土地が大きいからなのかな?
ただ、Visitor Infoの矢印につれられて走った先にあったのは、Visitor Centerではなく、各コテージ/ホテルのパンフレットが壁に貼付けられている掲示板 笑
さすが、島!
結局この島の見所とか観光ポイントは全然わからず 笑

まあ、ゆっくりするのが目的だったので、早速コテージを目指すことに。




ここはwoodコテージでStrawbaleではありません。
ですが、色合いやセンスが良く、小さいけど開放感があり、気持ちがいい。
リサイクル素材で作られた階段や、コンポーストトイレットなどエコな工夫がたくさんあります。








このCottageを建てたのは、女性の大工さんだそうです。
わたしが驚いていると、Tracyが、「私たち(女性)は、なんだってできるのよ、そうでしょ?」と一言。




Compost Toilet




















































Cob Cottageに泊まった後に、改めて気づいたこと。
Cob houseのように直線がない造りは、創造的でマジカル感が素晴らしいですが、

こちらのcottageのように木の統一感のある作りは、凛としていて、清々しく、頭が冴えるようなスッキリとした氣が流れていることに気がつきました。


土と木、同じ自然素材でも創りだす雰囲気が全然違います。
もちろん流木と切りそろえられた木でも違う。

わたし的には、木の温もりが醸し出す、自然との一体感の方が心が落ち着くかな。
今回、初めて直線の”美しさ”に気がつくことができました。


さあ、土の家、木の家、ときたら、お次ぎは藁の家。
まるで、”3匹の子豚”のストーリーのようですが、同じ敷地に住むTracyにStrawbaleの家を見せてもらえることになりました。

プライベートのお家なので、写真はないのですが、胸がトキメク素敵なおうち!
参考までにTracyが以前建てたStrawbaleのおうちはコチラ かなりツボ!!
いやー理想だわ。

Strawbaleがいいなとおもう理由は、Strawbaleはあくまでも”壁”の役割なので、素材としてのメリット(断熱性/通気性/環境)が高いし、木との融合も抜群だし(post&beam設計で壁をStrawbaleにする方法が多い)、コーティングとして使うプラスター(漆喰)がCobの様なEarthyな雰囲気を出すので、”見た目、実用性、環境配慮”と全部揃っていうことなし!
Strawbale house、確実に、叶えたい大きな夢のひとつになりました。
この島には他にもStrawbaleの家に住んでいる人たちが数家族いるそう。

今回、実際にNatural Buildingを作って/住んでいる人に話を聞けるだけでなく、Cob house&strawbale界のパイオニアで、大工/アーティスト/ファーマーのTracyに出会えてよかった。

言うまでもなくチャーミングで魅力的な女性です!



そんなTracyにこの島に住む日本人ご家族ーキクチファミリーーを紹介していただいた。
このキクチファミリーのみなさんは、自然農法を実践され、お子さんが5人!もいらして、そしてアンスクーリング(学校にはいかず、敢えて教えない教育)しているという。
興味津々!!

キャンプでは決して味わえない、人と人との繋がりが新しいご縁を結んでくれる旅。
こういうの久しぶりでワクワクしちゃいます。

Tracyにハグをして、キクチファミリーのお家へ向かったのでありました。
長々と読んでくれてありがとうございました。

続きはまた。



Stacy作のステンドグラス



2014年6月7日土曜日

Sustainable Mayne Island の旅 その2 〜日本庭園〜


Mayne Islandの端っこに、鳥取県の有志の方が造ったという日本庭園がありました。
なんでもMayne Islandと日本人は深いかかわりがあるそうで、その昔この島には日本人のコミュニティーがあり、BC州でトマトのグリーハウス栽培を成功させたのは、この島の日本人だったそうです。













2014年6月5日木曜日

Sustainable Mayne Islandの旅 1 〜 cob cottageに泊まる 〜


ひょっこりと5日間の休みができたので、家族でバンクーバーとビクトリアの間に浮かぶ島、Mayne IslandとPender Islandに行ってきました。


私たちはNatural Buildingに興味があって、Mayne IslandはBCの中でも、ーCobやStrawbaleで建てられた家がある島ーというイメージがありました。
いつもはキャンプな私たちですが、今回はせっかくだから島のNatural Building事情を調査するべく、cob cottageに泊まってみることにしました。

まずは写真から。

COB HOUSE!

この窓際のベンチ、素敵です。
もともとはCOBの暖炉だったようですが、後から鉄暖炉をセットしたそうです。
曲線といい、手作りの棚や取手といいかわいすぎる! 

ロフトのデスク 素敵な作品や文章が生まれそう。
このCob houseは15年前に、Mayne Islandでcob house のワークショップをオーガナイズしているcob worksの有志たちによって建てられました。
ちなみにCob houseとは、粘土質の土と水と砂と藁を混ぜた、固めの泥でできた家のことです。
基本的に、土や砂はその土地から掘り起こしたものを使うのが理想。
Cob houseの多くは、パーツの素材に、地元の流木や、石や、街のリサイクルセンターで発掘した捨てられていた窓やドアを使ったり、まさにrecycle reuse reduceの家、地球に還る家なのです。

Cob Houseの特徴について、昔書いたことがあるので、興味のある方は過去記事をのぞいてみてください。

わたしたちもSunshine CoastでCob Ovenを作る手伝いにいったことがあり、足で粘土を捏ねて、形をつくっていく作業が楽しかった!
Cobは曲線や形など、自由に創りだせるので、アートな感性がものをいう、まさにImaginationとCreationの融合!

ただ、Ovenを作っていて感じたのは、家をつくるとなると、相当な根気と労力と時間が必要。
何人も人手が必要だし、思う通りにはいかないと思う。
だから余計に、たくさんの手をひとつにまとめあげるcob worksにはrespect!

さて、Cob houseの良さを一言で表すなら、“温もり”。土の温もり。
そこに木の温もりと作り手のLOVEがミックスされ、全てが織りなす空間のマジカルなこと。
現実の世界から切り離されたような、不思議な空間。
”盗まれた時間 ここは現実の世界からずっとずっと遠く離れたところ。”

子ども達もリラックスしていい時間をすごしました。 




さて、この記事のタイトルは"Sustainable Mayne Island”となっていますが、どんなところがSustainableなのか、お話してこの記事を締めたいと思います。

Mayne Islandはガルフ諸島の中でも人口が900人程度の小さな島です。
この島にはゴミ処理場がありません。
それどころか、フェリー乗り場にも公園にも、ゴミ箱がありません。
その代わり、リサイクルとコンポーストを徹底していて、リサイクル用の箱は島の要所に設置してあります。
リサイクルにできないゴミは、旅行者でも持ち帰るのが基本。

Squamishのゴミ捨て事情は大雑把なので、その感覚でこの島にくると、いかに自分がゴミを生み出しているか(たとえゴミを減らす努力をしていても)思い知らされます。

また、ダムなどあるはずもなく、しかも湖も川もないので、水の貯蔵力に限界があります。
もうおわかりかと思いますが、この島では水が貴重です。 夏場は特に。

そういった事情から、サステインナブルを地でゆく島、Mayne Island。

さて、Mayne Islandを後にして、隣のPender Islandへ向かいました。
そこではcob worksの創始者であるTracyArtwood Cottageに泊まることになりました。
TracyはStrawbaleのお家に住んでいるのですが、natural buildingうんぬん以上に、人柄が魅力的!Pender IslandではTracyのおかげでとっても素敵な出会いが待っていました。

その様子は次回またupします。

長々と読んでくれてありがとうございます♪